今年(2011年)の日本シリーズは第7戦までもつれた末にきのう20日(11月)、ソフトバンクが日本一の座についた。巨人の内紛のおかげで緒戦の結果がスポーツ紙の1面からはずれるというおかしなことになった。
その張本人、清武英利・前巨人代表兼GMは、 おととい宮崎に姿を見せた。母校である宮崎南高50周年で記念講演のためだったが、記者団に「(解任については)日本シリーズが終わったらお話しします。間違ったことはしていない」と、なお再反論の構えだ。
キャンプ地宮崎で講演「ようやく話せるようになりました」
前日に巨人の役員を解任されていたため、講演では「きのうまで読売巨人軍の専務取締役、球団代表、オーナー代行兼GM…」と長い肩書きを並べて、「今日からはただの宮崎南高5回生の清武です」
清武は内紛にも触れ、「権力者が間違ったことをしたときには、不当な介入から守ってやろうと、今回はコーチを守ろうとしただけです。後悔も反省もしてません」と話した。そして、「もし『先輩がんばれ』という人がいたら、若干拍手いただけますか」と呼びかけ、わき起こった拍手に右手をあげて応えた。
また、決断したときのことにも触れて、「友人に『勝てますかね?』と聞いたら、『志があれば負けませんよ』というんですね。これから本当のことがわかってきます。ようやく話せるようになりました。名刺をとられて無一文ですが、心は晴れ晴れとしてます」と話した。
代表・GMの立場では表に出せなかったネタ
そもそもは11日に会見で「渡辺恒雄会長が独断でコーチの人事を決めた」と批判したこと。会長がヘッドコーチの岡崎郁氏を降格させ江川卓氏とするとしたことを、 「鶴のひと声でプロ野球を私物化するのは許せない」とまでいった。
渡辺は翌12日、「非常識、 悪質なデマゴギー。取締役の忠実義務違反にあたる」と痛烈な反論をした。清武はこれに反論していたが、巨人は18日の取締役会で清武の解任を決めた。発表した桃井恒和社長は解任理由として「独断の会見。誤った事実の公表で読売と巨人軍の名誉を傷つけた」などをあげた。さらに、「機密の暴露で業務を阻害した。反省の色がない。自らの辞任とひきかえに渡辺会長の辞任と、自らの常勤監査役就任を要求。事態収拾の条件だとした」と生臭い話になった。
清武はこれにさらに反論する構えで、24日ともいわれる。スポーツニッポンの宮内正英・編集局長は「解任は予想より早かった。球団は泥仕合を避けたかったんでしょう。清武氏は表に出したくないネタを持っているでしょう、代表・GMだったんだから。今回だけじゃなくて、過去にもこんなことがあったというような…」と話す。
池田健三郎(評論家)「巨人軍が正式名。社名に軍というのは珍しい。軍では命令は絶対です。上場してもいないし、会社経営の話ですから、世論に訴えるものでもない。(ひっくり返すのは)なかなか難しいでしょうね」
八塩圭子(学習院大特別客員教授)「「会見の前に組織の中でやることがあったと思う」
柿崎明二(共同通信編集委員)「政界はいつもこんなことをやってますけど、選手にしてみればいい迷惑ですよね」
司会のみのもんた「24日ですか」
彼、この話では口数が少ない。