対策遅れる日本。米国では「善玉」で「悪玉」駆逐
日本では国会や防衛産業、在外大使館が相次いで攻撃を受け、情報流出が確認された。高倉教授によると、各国では数年前から備えていたが、日本は無防備だったという。かつてハッカーは侵入で技術を誇示して満足していたが、いまは情報が売れるようになって様相が変わった。
アメリカではすでに事態がひとつ進んでいた。 ラスベガスで毎年開かれるハッカーの世界大会は、「ホワイトハット」と呼ばれる善玉ハッカーの集まりだが、ここが企業や政府機関の人材リクルートの場になっていた。検索大手のグーグルや国防総省は、こうした人材を生かして悪玉ハッカーと対峙させていた。空軍の捜査官の1人は「人数が足らない。今の3倍は必要だ。さもないと彼らに勝てない」といっていた。
高倉教授はその切実さを、「軍のシステムは高度にネットワーク化されているから、ここを攻撃されたら戦争ができない。また、ハッカーを国が支援、指導していることもありうる」と嫌な可能性も示唆した。
こうした実態から見ると、日本の取り組みは遅れているなんてものではない。日本のケースでは接続先に中国の名前がしきりに出た。サイバー空間の防衛戦略を発表した米政府の念頭には中国がある。アノニマスなんてお遊びの部類なのかという気がしてくる。
ヤンヤン