殿山泰司「日本女地図」港港に女がいたハゲオヤジのモテっぷり
このところ一足早く冬枯れしている軟派記事だが、「週刊ポスト」の回顧シリーズにときどき読ませるものがある。「昭和の『奇書』復刻 殿山泰司『日本女地図』」がそれである。殿山といえば「三文役者」と自称しながら、73年の生涯で300本に上る映画に出演した名脇役で、エッセイストとしても有名な御仁である。『日本女地図』は1969年にカッパブックスから発行され、大きな話題になった。ハゲで風采の上がらないこのオヤジ、なぜかすこぶるもてるのだ。それこそ港港に女ありである。
「女をつくづく味わうと、どれもがそのたびごとに、キラキラと新しい体験を与えてくれるのだ。肉づき、匂い、締まりぐあい、濡れかた、啼きかた、温度、おケケの濃淡、深浅、感度etc、無数の要素が組みあわされて、ひとりひとりのオンナを作りあげるのだ。同じであるなんてことが、あるはずがない」
北海道から九州まで、自分が接してきた女について研究した成果を集大成したのがこの本である。こんなぐあいである。「北海道」おおらかで、男をだましたりしないから、安心して付き合っていい。「茨城」水郷のオンナはアソコのしまりがものすごくいいんだ。「東京」きわめて顕著な上ツキである。「静岡」絶品であります。タコ、キンチャクが多いんだ。「滋賀」昼は聖女、夜は娼婦なんだ。「三重」この名器にナメクジMANKOと命名したい。「島根」カワラケは出雲ソバよりはるかにうまい。「沖縄」ちょっと息を吹きかけただけで、すぐもう興奮する感受性。