化粧品会社の悠香が販売し、約4650万個売れたという人気石けんの旧「茶のしずく」。しかしこの製品がいま話題なのは、美肌になれるからではなく、深刻な小麦アレルギーを生んだと見られるからだ。
化粧品会社「悠香」の人気商品
番組が取材した飯田美弥子弁護士は、同製品の使用者で、被害救済東京弁護団の一員でもある。2006年、茶のしずくを洗顔に使いはじめた。08年の運動中に体がひどくかゆくなり、家に戻ってかきむしっている間に気を失ったという。それまで食物アレルギーの症状はなかったが、このとき小麦アレルギーとの診断を受けて、以来小麦の食物の摂取をやめた。しかし、その後も運動中に発症したため、運動もやめた。それでも09年には通勤中に発症したという。
この間、石けんがアレルギー源の可能性があるとは疑わずに使いつづけ、今年6月の悠香からの通知のハガキでようやく事態を把握した。いまは「運動ができるようになりたい。食事を楽しみ、旅行に行きたい」との思いが切実だ。
目や口の粘膜などから体内に取り込み
番組によると、原因成分は「加水分解コムギ末」だという。肌をしっとりとさせるなどの目的で使われるといい、「石けん、シャンプーに前から使われている。加水分解コムギ末がすべて危険なわけではない」(皮膚科医の吉木伸子氏)。そのなかで、茶のしずくに使われたタイプは分子量が大きく、アレルギーを起こしやすいと考えられているという。
目や口の粘膜などから体内に入り、アレルギー症状を引き起こしたり、もともとアレルギー体質でなくても、繰り返し粘膜に付着させることで発症することがあるという。
スタジオでは司会の加藤浩次が「なってしまった人はもう治らないんですか?」と尋ねた。「いろいろな新しい治療が試みられ、成果をあげているので、絶対に治らないとは言えない」(吉木)とのことである。