北朝鮮・平壌の金日成スタジアムで行われたW杯アジア3予選の「ザックJAPAN対北朝鮮」戦は、5万人収容のスタジアムを埋め尽くした観客の怒涛の声援を背にした北の選手の気魄勝ちだった。
北の選手を後押ししたのは怒涛の声援だけではなかったようだ。「とくダネ!」は北の選手には後がないある事情を取り上げた。
負けたら炭鉱労働所送り
ザックJAPANにとって、「究極のアウェー」の洗礼は試合前から始まっっていた。赤色で覆われた観客席に、鮮やかな黄色の人文字で「朝鮮勝て」。国歌斉唱ではブーイングでかき消されてしまった君が代に対し、北朝鮮国歌の大合唱が響く。
コリア国際研究所の朴斗鎮所長は「あれだけの人文字を短時間に準備するというのは、非常に組織された応援団ということ。国、選手、応援団が一体となって戦術を組んだということです」という。サッカーが国技ということもあるのだろうが、それにしても異常な盛りあがりである。
北朝鮮の選手には負けるわけにいかないないある事情があったという。前回のW杯南アフリカ大会でブラジルに2―1で惜敗した後、ポルトガル戦では7―0の惨敗。国の恥といわれ、監督、選手は炭鉱労働所へ送られたが、2014年のブラジル大会予選が始まることから現役復帰。しかし、アジア3次予選で敗退したため、再び炭鉱労働所へUターンが取り沙汰された。そこに登場したのがホームでの対日本戦。炭鉱労働を免除されたいなら「日本に勝つ」ことだった。
司会の小倉智昭「北朝鮮にしてみれば、日本は特別なんですね。日本は負けてよかったのかも」
22年前に金日成スタジアムで戦ったことのある堀口巧も「ホームですからね。負けるわけにはいきませんよね」と話す。
女優の高木美保「怖かったですね。日本が負けることが危機管理の一つかなと感じるぐらい怖いものがありました」