野田首相してやられた!?交渉じゃなくパワーゲームだったTPP

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   ハワイで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC) 最終日のきのう14日(2011年11月)、各国首脳の記念写真の撮影で、隣り合わせになったオバマ大統領た野田首相は、野田がやや堅い表情なのに対し、オバマは満面の笑みだった。意気込みが空振りに終わった側と、してやったりという側の違いか――。

オバマ米国は早くも対日要求

   APECそっちのけで、話題の中心はアメリカが主導する環太平洋経済連携協定(TPP)だった。野田はこの交渉に参加の意向をオバマに伝え、APRCでもこの旨を伝えた。首相は会見でも「自分の決断だ」「いくつかのエコノミーから歓迎の意が表明されました」と胸を張った。エコノミー? おいおい大丈夫かよ、外務省の作文をそのまま読んじゃって。なにやら象徴的だ。

   そもそもホノルルに着いたとたん、カーク米通商代表から「TPPの条件に合わせるべきだ」とクギを刺され、参加の意向をオバマに伝えたあと、 ホワイトハウスは「日本は全ての品目で交渉」との情報を流し、日本政府のクレームで訂正する騒ぎ。

   野田が出席する腹づもりだったTPP首脳会合には招かれずじまいだった。交渉の大枠合意は9か国で行われた。遅れてきた客ということか。そのくせカーク代表は、日本に向けて早々と「牛肉、自動車、郵政改革」と具体的な項目をあげた。すっかりアメリカのペースになっている。ただ、日本の交渉参加表明でカナダとメキシコが交渉参加を表明して、話が大きくなってきた。12か国になると世界経済の4割を占める。

   オバマは最後の会見で、「TPPはつなぎ目のない地域経済と貿易の増進、そしてわが国にとっての輸出増加と雇用創出のチャンスだった。これに日本、カナダ、メキシコが関心を示してくれて嬉しい」とまことにストレートだ。笑顔の意味はこれだった。つまりは米国民向けのアピール。来年の大統領選挙が念頭にある。そんな思惑にうかうかと乗せられてはかなわない。

アメリカ経済ブロックと中国アジア囲い込みが衝突

   「朝ズバッ!」は石垣島の農家の様子を伝えたが、肉牛農家には賛否があるが、サトウキビ農家は反対一色だ。まさに各論で、まさに全国で事情が異なる。「エコノミー」なんて気取っていられる話ではない。日本などが実際に交渉に参加できるのは早くても来年の春から。TPP発効は2014年といわれるが、国の数が増えれば交渉は難しくなる。アメリカはそれを見通して日本をけん制している。カーク発言がそれだ。

   司会のみのもんた「なんでホワイトハウスとの間で、言った言わないとなるの」

   内野雅一(「週刊エコノミスト」編集長)「見解の相違ではないと思う。相違があると言いたい人がいる。アメリカも波風たてずに訂正したということだろう」

   杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)「アジア太平洋地域をひとつにという大きな構想の一部。そこでだれが主導権を握るか。中国はASEAN+日中韓でやろうとしているし、政治的なパワーゲームでもある」

   内野「数が多くなると、世界貿易機関(WTO)みたいにまとまらなくなる恐れもある。大きくなることがいいわけでもない」

   その前に、野田にとっては国内だ。外面よくペラペラやったツケでぶっ倒れてしまっては元も子もない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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