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取捨選択の詰め甘い日本―守るべきは国民の暮らしは何なのか

   夏野剛(慶応大大学院特別招聘教授)は次のように言う。

「守るべきものは何なのかという議論を、根本からしなければいけない時期に来ているのだと思う。コメも大事かもしれないが、他にも大事なものがある。これでは交渉中に取捨選択しなければならない。
そのとき司令塔は誰で、実際の交渉は誰がやるのか。交渉する人はお気の毒で、困ったことに、交渉の最中によくハシゴを外される」

   元ユニクロ社員の田中雅子(経営コンサルタント)は、「国民から見ていると、守るべきもの、勝ち取るものが本当に国益を考えているものなのか、政治家の(選挙)基盤を守るものなのか正直分からないところがある」と厳しく指摘する。

   戦略を持たずに、その場の戦術だけで交渉に臨む日本。泣き落としが何度も効くとは思えない。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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