なぜ大津波警報は届かなかったのか…地震後3分以内に縛られた気象庁

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犠牲者を出さなかった茨城県大洗町。命令口調で町役場が避難呼び掛け

   自治体の避難の呼びかけかたでも明暗が分かれた。事前に作成した避難のマニュアル通り「避難するよう指示します」と読み上げた自治体で住民の聞き取り調査をおこなって、その効果の検証を進めている。住民は「やはり緊張感はなかったね。これいつも聞いている放送だから」と話す。

   そんななか、4メートルの津波に襲われ、港の施設が破壊されて多くの車が流されたものの、1人の犠牲者も出なかった自治体ある。茨城県大洗町。功を奏したのは、小谷隆亮町長の臨機応変の対応だった。町役場の窓から津波の白波が押し寄せるのを見た町長は、危機感から即座に「避難命令」「大至急高台に避難せよ」と命令口調で連呼するよう職員に指示した。住民は「これはただ事ではない。もう大変だと思い逃げた」という。田中教授はこの対応を次のように評価する。

「ほんとに命を救った情報だと思う。ただ、命令形なら緊迫感が伝わるかというとそうではない。命令形が伝わった前提として、町長が感じていた緊迫感あり、その緊迫感を伝えるために命令形があった。そこを学ぶべきだと思う」

   最後にNHKの災害報道のあり方について田中教授はこう指摘した。

「災害を伝える報道は言葉だけではない。今回も避難されている方々の映像を流していただければ多くの人が『自分もと』と感じたと思う。今の災害報道は、自然現象の異常をいかに見知するかに目がいっている。社会の緊迫感をどう伝えるかの取り組みがあっていいと思う」

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2011年11月9日放送「どう避難うながすか 変わる津波警報」)

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