なぜ大津波警報は届かなかったのか…地震後3分以内に縛られた気象庁

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今後は数字よりも「巨大」の表示で避難重視

   「警報はある意味失格だった」と気象庁の担当者は述懐している。ではなぜ3分にこだわったのだろうか。10年前の北海道南西沖地震。この時、気象庁は地震発生の5分後に第1波津波警報を出した。ところが、津波は早いところで3分後に到達し、死者230人、行方不明者29人を出した。以来、気象庁では3分で警報を出すことが至上命題となったという。

   もはや2度と同じ失敗は繰り返せない。気象庁は3月11日以降、何度も論議を重ね、巨大地震直後は数字ではなく「巨大」と表現することで避難に重点を置く方針を打ち出した。年末までにさらに議論を重ね、最終的にシステムの改修を終えるのは1年ほどかかるという。

   キャスターの国谷裕子は「数字を具体的に発表したほうが情報の信頼性があるような気がしますが?」と、「巨大」という表現に疑問をぶつけると、災害情報に詳しい東大大学院の田中淳教授は次のように解説した。

「数値があると科学的に見えるので、情報の信頼性が上がるが、数値に不確実性が入り、幅があることをどう伝えるか、そこを受け手がどう理解するかが残される。ただ、気象庁が技術的にできることと、できないことを分けたのは一歩前進と思う」
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