業界人の必読書と言われた雑誌が今年もヒット番付を発表してくれている。かつてはテレビ番組の情報ソースだったこの雑誌を今でも読んでいる人は多い。ただ、アンダー35世代はSNSやツイッターで情報を集めて裏取りをするので、さほどその雑誌を使っていないという。
とにかくミーハーで目立ちたがりで新しモノ好きの世界だからなあ
2011年のヒット番付に選ればれていたのはスマホ。これには誰も反対できないだろう。実にスマホ所有者の過半数が今年に入って機種変更した人だという。何を隠そう、私もその1人。それにしても、いわゆるマスコミ関連の業界人とやらは、なんだかんだいってミーハーで目立ちたがりで、新しモノ好きな人が多い。否、そうせざるを得ない状況もある。トレンド(これも死語)を把握し、最先端を広く浅く知っている人。それが業界人であるという暗黙の了解が今でもまことしやかにまかり通っている。当然、スマホ誕生時に業界人の所持率は異様に高かった。
業界人ならばスマホを所持せよ的なスローガンが流れたという(もちろん嘘です)。会議では、たいていの人が卓にスマホをデンと出している中、ボロボロになった使いこなし過ぎのケータイを卓に出すのは大変気がひけたものだ。といっても、ケータイはたった2年前に機種変したものだった。
しかしこの夏、そんな愛すべき商売道具のボロボロケータイがついに危ないという状況になり、どうせならとスマホにした。まぁ、世の中の流れにようやく乗ったという形。けれど、スマホにしてから3か月がたつというのに、一向に使いこなせていない。ダウンロードしているアプリも片手で数えられるほど。スマホからの客を新規に取り組むことが業界の命題ともいえるのだが、制作の張本人が全くそれに興味がない状態が続いている。興味がないと言うより、自分が使いこなせていないことへの当て付けでしかないのだが。
ドキンとしたリスナーメール「スマホで人間小さくなるんじゃないか」
それにしてもスマホってそんなにエラいんだろうか。これまでのケータイだってアクセスに関しては大差なく、情報だって十分享受することができる。誰だって不自由もなく使っていたものだ。そんな風に考えているからだろうか、スマホにしたことで逆に誤作動や不具合が起きたという人は数多い。私のスマホも液晶画面が何も起動しなくなってしまい、修理に出すことに。ひとまずメーカーが基盤と液晶を替えてくれて10日ほどで手元に戻ってきたが、相変わらず電力消費は甚だしく、まったくエコではない。そうして、省エネのためにまたアプリをダウンロードしなくてはならないなど、本末転倒ではないかとも思う。
ある言葉を紹介したい。それは、先日某ラジオ番組に寄せられたリスナーからのメッセージ。ずばり「スマホで人間性も小さくなるんじゃないか」ってこと。打ちにくいキーをちまちま打ち、パソコンならまだしも、小さい画面で動画を楽しんだり、メールを送り合うのはナンセンスだと。そのような小さな端末に心奪われていたら、人の器も小さくなるんじゃないか。小さいものに気をとらわれていると、人間性も小さくなるんじゃないかという指摘のメールだった。
キー操作が煩わしい。検索結果をズームしないと何が書かれているのかもわからない。そんなことでイライラしていると、たしかに人としての器が小さく小さく、スマートではなく単なるスモールになってしまう気がしてならない。
モジョっこ