TPP参加表明1日延期の舞台裏―反対派沈静と離党組説得

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   環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加表明を1日延ばした野田首相、いったいどんな成算があってのことだったのだろうか。昨夜(2011年11月10日)から永田町で取材している清水貴之リポーターが舞台裏を伝えた。

慎重派の中にも「結果は変わらない」

   山田正彦前農相など慎重派は「(1日延ばしたことで)首相に考え直してもらえると信じている」と話すが、清水は「首相の決意表明が1日延期にはなっただけで、結果は変わらないのではないかという声も慎重派の中にあります」と伝える。

   国会記者会館から山崎陽弘記者が「会見を1日延ばしたのは、党内の反発を静めるために少し時間をおいた方がいいと判断しからのようです。また、交渉参加となったときには離党するという議員もいるので、説得するための時間稼ぎという見方もあります」と解説した。

「日本システム維持するのか放棄するのか」(榊原英資)

   司会の羽鳥慎一が「きょうは参加慎重派で、元大蔵官僚の榊原英資氏をお招きしました」と紹介、榊原はこんな慎重論を展開した。

「今回の問題は農業や工業の問題ばかりが話題になっているが、問題の本質はこれまで作り上げてきた日本独自のシステムを守るのか、放棄するのかというところにある」

   コメンテーターの吉永みち子(作家)「最初は農業の再生問題とセットで、この問題を考えると言っていたはず。でも、農業再生の青写真は未だに示されず、参加するかしないかばかりが議論されている」

   羽鳥「首相は外からの力を借りて、今の閉塞状況を打開しようと考えているのでは?」

   榊原「それは古い考え方。この状況では通用しない」

   外圧で日本の経済構造や外交を動かそうというやり方は、自民党政権のお得意だった。しかし、民主党政権になっても相変わらず続いていて、小泉改革が米国の対日要望を次々に受け入れて格差拡大をもたらした苦い教訓がまったく生きていない。マスコミは「国論を2分した議論」なんて言うが、2分しているのは国会議員で、国民はTPPで何が起こるのかさっぱり知らされていない。議論のしようのない状況に置きっぱなしにされている。

文   ナオジン| 似顔絵 池田マコト
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