「日本システム維持するのか放棄するのか」(榊原英資)
司会の羽鳥慎一が「きょうは参加慎重派で、元大蔵官僚の榊原英資氏をお招きしました」と紹介、榊原はこんな慎重論を展開した。
「今回の問題は農業や工業の問題ばかりが話題になっているが、問題の本質はこれまで作り上げてきた日本独自のシステムを守るのか、放棄するのかというところにある」
コメンテーターの吉永みち子(作家)「最初は農業の再生問題とセットで、この問題を考えると言っていたはず。でも、農業再生の青写真は未だに示されず、参加するかしないかばかりが議論されている」
羽鳥「首相は外からの力を借りて、今の閉塞状況を打開しようと考えているのでは?」
榊原「それは古い考え方。この状況では通用しない」
外圧で日本の経済構造や外交を動かそうというやり方は、自民党政権のお得意だった。しかし、民主党政権になっても相変わらず続いていて、小泉改革が米国の対日要望を次々に受け入れて格差拡大をもたらした苦い教訓がまったく生きていない。マスコミは「国論を2分した議論」なんて言うが、2分しているのは国会議員で、国民はTPPで何が起こるのかさっぱり知らされていない。議論のしようのない状況に置きっぱなしにされている。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト