野田首相「農業強化盛り込んだ第4次補正予算」でTPP辻褄合わせ

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   野田首相がTPP交渉参加の表明を1日延期した。「一晩考えたい」という。いまさら迷うことはあり得ないし、腹は固まっているのだろう。首相の真意は何か。

   司会の小倉智昭「なぜ先送りしたのですかね」

   田崎史郎(時事通信社)「先送りせざるを得ないほど深刻な状況になった。とにかく、党内、閣僚級の人たちを抑えるためにこの1日を使うということですよ」

リーダーシップ示せず政権に不安

   小倉「では、(1日延期で)総理の考えが変わる可能性もあるのでしょうか」

   田崎は「それはない」と断言し次のように解説した。

「総理周辺の何人かに確認しましたが、まったく変わっていない。参加表明をするという状況です。もし参加表明をしなかったら政権自体が危うくなる。ただ、(1日延期は)自分で決めて、党内を説得していく強いリーダーシップを示すには至らなかったということ。その意味ではマイナスですね」

   一国の首相がここに至ってまだ迷うなどということはありえない。農業強化策を盛り込んだ第4次補正予算まで念頭に置いているというのだから、交渉を通り越してTPP参加の腹は固まっているのだろう。

アメリカの狙いに「中国のアジア支配拡大を牽制」

   コメンテーターのショーン・マクアードル川上(コンサルタント)は「会議室に入るか、入らないかの話をしている。原理主義的なところで国論が2分しているところに違和感がある」というが、それはマスコミが騒いでいることで、野田首相は「会議室に入った」ら簡単には出られないことも分かっているのではなかろうか。

   問題はろくに国民に情報を開示しないで、なぜ決めたか。田崎は「ある種、中国に対するシフト。中国を刺激したくないからあまり言わない人が多いが、アメリカも中国の力を抑えたい。中国に対して、別のグループを作ろうという思惑で成り立っている」という。藪の中の国際政治。さて真相は……

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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