野田首相がTPP交渉参加の表明を1日延期した。「一晩考えたい」という。いまさら迷うことはあり得ないし、腹は固まっているのだろう。首相の真意は何か。
司会の小倉智昭「なぜ先送りしたのですかね」
田崎史郎(時事通信社)「先送りせざるを得ないほど深刻な状況になった。とにかく、党内、閣僚級の人たちを抑えるためにこの1日を使うということですよ」
リーダーシップ示せず政権に不安
小倉「では、(1日延期で)総理の考えが変わる可能性もあるのでしょうか」
田崎は「それはない」と断言し次のように解説した。
「総理周辺の何人かに確認しましたが、まったく変わっていない。参加表明をするという状況です。もし参加表明をしなかったら政権自体が危うくなる。ただ、(1日延期は)自分で決めて、党内を説得していく強いリーダーシップを示すには至らなかったということ。その意味ではマイナスですね」
一国の首相がここに至ってまだ迷うなどということはありえない。農業強化策を盛り込んだ第4次補正予算まで念頭に置いているというのだから、交渉を通り越してTPP参加の腹は固まっているのだろう。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト