電気料金に上乗せされている電源開発促進税のうさんくささに「朝ズバッ!」が切り込んだ。 こういう話はいくらしつこくてもいい。
東京電力の電気料金はこのところ毎月値上げになっていて、3月(2011年)には6251円だったものが、12月には6897円になる。656円も違う。このうち108円が電源開発促進税だが、利用家庭に届く明細では「基本料金」に入っているからだれも気がつかない。
財源は電気料金に潜り込ませた電源開発促進税
電源開発促進税が何に使われているかというと、原発推進教育のための小中学生用の副読本になっていた。文部科学省と資源エネルギー庁が公益財団法人・日本生産性本部に委託した副読本には、「原子炉は5重のカベに守られている」「津波が来ても余裕をもっているから」などと書かれている。これがうそっぱちだったと、今では誰もが知っている。
衆院文科委で共産党の宮本岳志議員が「原子力のメリット、デメリットを客観的、科学的に理解させるものになっていない。国費を使って電力会社の安全神話の宣伝をしている」と追及した。さすがに文科省も「見直す必要がある」としか言いようがなかった。
制作は1社応札の事実上の随意契約
作り方も問題だ。日本生産性本部は06~11年 の間に42件約10億9000万円の原子力広報誌などを受注。競争入札ということになっているが、応札は1社しかいないという事実上の随意契約が19件もあった。元経産省官僚の岸博幸・慶大大学院教授は「入札条件を厳しくすれば、1社しか応札できないようにできる。実質指名入札というのは多いが、原子力関係ではとくにひどい」という。
日本原子力文化振興財団の副読本は、福島原発事故のあとテーマを「原発推進」から「放射線の知識の普及」に変えた。民主党の山尾桜里衆院議員は「看板の掛け替え」という。しかも、予算は平成昨年度が4000万円、今年が4100万円とほぼ変わらずだ。目的は変わっても予算はそのまま。その理由を「朝ズバッ!」が聞くと、「文科省に聞いてください」。財団の役員はみな電力会社のOBだ。電力会社は会費も払っている。彼らの給料はそこから出ている。お役人の天下りと全く同じ構図である。
岸教授は「正直言って呆れる。これが役所の体質なんだなと思います。事故が起って テーマが変わっても、予算の金額は同じ。なみに、過去10年間に原子力教育に45億円が使われている。電源開発促進税から」
与良正男(毎日新聞論説委員)「名目が変わっても予算は同じ。やってて恥ずかしくないだろうか」
岸教授「わからないように電力料金に乗っかってる」
司会のみのもんた「ムダですよ。これがなくなれば料金が下がる」
岸教授「多少は下がります」
みの「多少ですか?」
大変な悪知恵だが、役所や電力会社は民主党ごときに壊せるはずがないと思ってるんだろうな。