野田首相がきのう10日(2011年11月)に予定していた、TPP交渉参加表明の記者会見を突然キャンセルした。「1日じっくり考えたい」とのことだが、予想外の反対派の動きに、党3役からも助言があったらしい。
動きは、離党も辞さないという議員が実際に出てきたこと。また、取り込んだはずの鹿野農水相が反対派の山田前農水相と会談。さらに、野党の追及も急だ。きょう11日 の集中審議を経てからとの判断らしい。党内反対派向けの文言を練っているということか。
離党議員はほとんどなし
司会のみのもんたが柿崎明二(共同通信政治部)と与良正男(毎日新聞論説委員)に聞いた。
みの「なぜドタキャンしたんでしょうかね」
与良「自信がなかった」。1日延ばしてもいいことない。身内をまとめる自信がなかったということという。柿崎は「足元」。党内はともかく、鹿野が農水相になったことはTPPをすすめるということで、農業、漁業関係への説得役を期待していたが、固められなかった。
みの「できないんなら代えればいい。で、結論は参加不参加どっちですか」
与良によると「参加表明しないと政権はおしまい」で、不参加となったらリーダーシップが問われる重大局面になる。柿崎も「参加」。参加しないと政権は崩壊。グラグラはしていないと言う。
与良「反対派も言えば言うほど自分の首を絞める」
みの「離党者は出ばすか」
与良「少数出る可能性あり」。政権発足以来、政策の対立には常にからんでいた小沢派が今回は静か。出ても少数。
柿崎「出るかも」。反対派が「仕方がない」と思うようになれば出ない。離党すればお金がもらえなくなる。離党できる人は少ない。
与良「国の将来を左右するテーマだから、自民党の中にも小泉進次郎さんみたいにやるべきだという人もいる。ここで政界再編になってもおかしくないのだが、そのエネルギーがない」
みの「今後の国会運営はどうなるのでしょう」
柿崎「難しくなりますよね」
世論の3割は「よく分からない」
与良「政治とは何かを考えなければいけない。100%の賛成というのはない。利害が対立するのを調整して決断するのが政治。これが問われている。デメリットはたくさんあるが、参加しないといけない」
柿崎「ボクは農家の息子ですが仕方がないと思う。交渉はルール作りだから、交渉の中にいないといけない」
みの「ルール作りの協議にも入らないというのはね。要は交渉力でしょう」
与良「どうせアメリカの言いなりになるだろうというのがいけない」
柿崎「話が極端になって、世論調査でも3割がわからないといってる」
みの「民主党が『慎重に』といってるんだから、『慎重にします』とにっこり笑って言っちゃったらどう?」
与良が手を振って「慎重にとか、時期が早いというのは実は何も言っていない」
みのが「鎖国になるわけじゃないんだから」といっていたが、これだけ議論が下手だと、国際交渉力も小学生並みか。