女性スキャンダルで人気のイタリアの名物首相、ベルルスコーニが失政で辞意を表明した。日本時間9日(2011年11月)未明に行われた予算関連法案の採決で、野党の棄権で可決されたが、下院議席総数の過半数に達せず、事実上の首相不信任となった。
前日には連立政権を組む第2与党の党首から辞任を促されており、野党も近く内閣不信案を提出する構えという。
放言・スキャンダル乱発「少女好きはゲイよりいいだろう」
司会の小倉智昭の「これでイタリアはどう変わるの」という疑問に、フジテレビ解説委員の安倍宏行が答えた。
「問題は次の内閣がどれだけの強いリーダーシップを持って財政再建に取り組むか。フランスがイタリア国債をものすごく買っており、そちらに飛び火しかねない」
このあと、ベルルスコーニの数々の放言とマメな女性スキャンダルに話題が移り、「怒られちゃうかもしれないけど、(辞任は)すごく残念だわ」と女優の高木美保が笑う。
まずは、国際問題に発展しそうな数々の放言から。3年前にオバマが米大統領に決まった時には、「あの日焼けした男の名前は何だっけ。ああ、あれがバラク・オバマだ」。2009年4月のイタリア中部地震では、被災地を訪れ「テントで暮らすのはキャンプに行くようなもの」。また、「ヒトラーは生きている」とも発言した。
女性スキャンダルも華やかだ。友人の18歳の娘との浮気や高級コールガールとの不倫。まったく政治経験のない美人議員をいきなり大臣に据えたこともある。批判に応えて、「私は少女が好き、ゲイであるよりはいいだろう」と言い放った。
それでも支持率60%台キープ
それでも支持率60%台(現在は20%)をキープしていたころもあったのは、憎めないキャラクターか。小倉が「昨年、イタリアへ行った時にいろんな人に聞いた。半分ぐらいの人が『ベルルスコーニが好きだ』と言っていた」と話す。
ベルルスコーニ・ウォッチャーのデープ・スペクターは、「2、3年前から、リーダーとして滑稽に思われていることを国民が気にし始め、支持率が下がってきた。実業家で財政のことを理解しているはず。だったら真剣に直面すれば何とかなったはずなのにという絶望感もある」
貴重なネタの一つがいなくなることに残念そう。