オリンパスが20年にもわたって損失隠しをしていたことが明らかになった。証券取引等監視委員会は有価証券報告書の虚偽記載に当たるとして調査を始める。 刑事告発や上場廃止もありうる事態だ。
きのう8日(2011年11月)に会見した高山修一 社長が突然明らかにした。バブル期の財テク(有価証券投資)による損失を決算で先送りするため、いわゆる「飛ばし」など複雑な手口を使っていたらしい。高山社長は「昨日夜まで知らなかった」とし、責任があるのは「菊川剛社長、森久志 副社長、山田秀雄監査役(当時)」と名前をあげた。森氏は8日付で解任、山田氏も辞任するという。
「適切だった」から一転!ばれたウソ
発覚の発端は、前社長のマイケル・ウッドフォード氏が過去の企業買収について内部で追及したこと。当時の菊川会長は説明する代わりにウッドフォード氏を解任した。このため、ウッドフォード氏はメディアなどに告発していたが、高山社長は「買収は適切だった」と説明していた。それが一転、ウソだったというわけだ。
オリンパスはイギリスの医療機器メーカーを買収したとき、アドバイザーに660億円という異常に高い手数料を払っていた。また、国内の3社の買収でも企業価値をはるかに超える700億円を支払っていた。これらの金が還流して損失の穴埋めになっていたものと見られる。
株価急落で買収のターゲットに
オリンパスは戦前からの光学機器メーカーで、戦後はペンなどユニークなカメラで知られる。近年は医療機器の内視鏡で世界シェア7割という優良企業だ。カメラも方も健在なだけに、この騒動がどんな展開になるか世界も注目している。オリンパスの株はきのうストップ安の734円まで下がった。専門家は「製品や技術は魅力的で、株価が下がったら買収という動きが出てくるかもしれない」という。
司会のみのもんた「あるかもしれないね。でも、会計事務所が10年もわからないはずはない」
というより、社長にたてつける監査法人なんかないということだ。元東京地検特捜副部長の若狭勝(弁護士)は「隠蔽というのは悪魔のささやきなんですよ。黙っとけばわからないよと。それを断ち切るには日頃から公正を頭にいれておかないと」と修身の教科書みたいなことをいう。そして、「一罰百戒じゃないが、厳しく罰すべきで、防止の効果もある」と今度は検事の顔だ。片山善博(慶応大教授)までが「企業も正直が最大の策です。ジョージ・ワシントンがサクラの木を切ってから、正直がいちばん」(笑い)なんていう。
みの「道徳か修身の時間ですね」(笑い)