ギリシャ発の経済危機がイタリアに飛び火した。ベルルスコーニ首相が信頼維持の苦肉の策として、自国の財政策についてIMFに監視を要請したのだ。笠井信輔アナが嘘つきは噛まれるというローマの『真実の口』の模型を使い、「イタリアの真実とは何か」を取り上げた。
年金受給年齢の引き上げや公務員給与カット
ユーロ圏では独、仏に次ぐ第3位の経済大国のイタリアは、ギリシャのように資金支援を受け救済されているわけではないが、ギリシャの5・6倍にのぼる約200兆円の政府債務残高がある。ベルルスコー二首相が打ち出した主な緊縮財政策は、年金受給年齢の引き上げ( 現行65歳を67歳に)や公務員給与のカット。ローマ市も建設業者に公共事業の代金が支払えず約400億円が滞っている。予算削減で警察や消防で使うガソリンが買えない。刑務所の刑務官約6万人の残業手当(1人当たり約20万円)が未払い―などの事態きち起こっている。
ところが、相次ぐ買春スキャンダルなどで首相の信頼は地に落ち、支持率は今や22%。「本当に改革できるのか、信用できない」とみられており、『真実の口』に手を噛まれたまま。IMFの監視がなければ市場から信用してもらえない状態という。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト