日曜日(2011年11月6日)の早朝、新宿区大久保の古い木造アパートで火災があり、7人が死傷した。住民の多くは生活保護を受ける1人暮らしの高齢者だった。アパートは2階建てで四畳半が各階12部屋。ここに22世帯23人が住んでいた。出火の原因は不明だが、住民によると、2階で爆発音がしたあと火の回りが早く、消化器では追いつかなかったという。4人が死亡、2人が意識不明の重体、1人が軽いケガをした。
「築30年、共同トイレ、風呂なし」アパート火災7人死傷
アパートは築30年で、トイレは共同、風呂なし。家賃は5万1000円 で、これは都心では相場だというが、23人中17人が生活保護受給者で、自立生活をサポートするNPOが連帯保証人になって入居を支えていた。身寄りのない人、介護の必要な人もいた。
場所はいま「韓流ブーム」で注目の町、山手線・新大久保駅の近くだが、戦後の時間が止 まったような古い家が建ち並ぶ一角だ。新宿区内で家賃の安いところは少なく、このアパートはいわば吹きだまりのように生活困窮者の受け皿になっていた。
東京都内で生活保護を受けている人は、今年1月現在で26万3534人。 うち高齢者世帯は42・8%、単身者78・8%。 厚労省によると、全国で今年7月までに生活保護を受けた人は205万人を超え、過去最多になったという。
「独居老人や生活保護受給者」古いアパートに暮らし
NPO「もやい」の小幡邦暁事務局長にリポーターの米田やすみが現場で聞いた。「都市では、独居老人や生活保護受給者の多くは古いアパートに暮らしている。身内や近所とも疎遠になりがちなので、普段から行政や近隣の支援が必要だ」という。
司会のみのもんた「焼け出された人たちはどうしてるの」
米田「いま15人ほどが新宿区役所にいます。これからまた別の施設を探すことになるのだと思います」
みの「これから冬だもんね」
米田「火事のショックもあるでしょうし、厳しいですね」
はからずも見せた都会の裏の顔。華やかな「韓流」の街とはつい目と鼻の先だ。