吉本興業元社長「借金と赤字で芸人のギャラ遅延でも役員報酬4億円」
その現代で吉本興業元社長・中邨秀雄が話している「このままでは吉本はおしまいですわ」がおもしろい。今年6月の株主総会に先立ち、株主に配られた吉本興業の「決算報告書」を見て中邨は愕然としたそうだ。長期短期併せて160億円近い借金があり39億円もの赤字が出ている。09年10月に吉本は株式公開買い付けが成立して上場を廃止した。そのために財務内容がブラックボックスになってしまったのである。中邨はその時点で、吉本はもうアカンと思ったという。
「大衆から株を取り上げ、あろうことか利害関係のあるテレビ局に株を振り分けた。おかげでテレビ局との緊張関係は喪失し、安易な番組づくりが優先され、僕に言わせればくだらないお笑い番組ばっかりになってしまった」
経営者の周りをイエスマンばかりで固め、赤字経営なのに役員報酬は6人で4億円以上もらっている。ここへきて吉本は次々に劇場を閉鎖し、芸人に対するギャラの遅延も目立ってきているというのにである。中邨の次の言葉がいまの吉本の経営陣に届くだろうか。
「やっぱり、吉本は大きくなりすぎたんやな。テレビの株を買わして、出演枠を独占するような状態になって、それで傲慢になったからイカンのや」
島田紳助問題は氷山の一角で、吉本は大本から崩れはじめたようだ。