来春のスギ花粉は花粉症になっていない人にも影響を与えそうだ。福島原発事故によって飛散した放射性セシウムを含んだ花粉が飛んでくるからだ。玉井新平リポーターが「福島原発から300㎞以上離れた関東ですでこれだけの線量が確認されています」と報告した。文部科学省が今年6月に福島第1原発周辺で測定したところ、スギの葉から1キログラム当たり17万7600ベクレルのセシウムが検出され、これが今後も関東周辺に飛んでくると考えられているのだ。
東京・奥多摩では花粉・葉・土中から検出
首都大学東京の福士政広教授(健康福祉学部・放射線学科)は「スギやヒノキの森林は関東周辺にたくさんあります。放射性物質による汚染の可能性はとても高いと思われます」と話す。福士教授が東京・奥多摩で行ったスギ林の調査では、「セシウム137と134が含まれています。土中からは1381ベクレル、葉からからは320ベクレル。花粉からは93・8ベクレルが検出されました」という。
玉井「セシウムは西風の偏西風によって、福島から関東周辺にまで運ばれてきたようです」
森林の放射能「除染」不可能
司会の羽鳥慎一「人体への影響はどうなんでしょう」
福士教授「花粉に含まれていたセシウムを年間換算すると1・46マイクロシーベルトです。人体への影響はないと思います」
コメンテーターの吉永みち子(作家)は納得できず、「関東周辺でこれだけの数値が出ているなら、福島に近いスギ林やヒノキはもっと濃度が高いということでは」と聞く。
福士教授「確かにその可能性は十分考えられます」
長嶋一茂(スポーツキャスター)「花粉が飛んでくる時期と花粉症になる間には時間差がありますよね。その間の対策はどうすればいいのですか」
福士教授は「もっとも有効な手段は除染です。除染をすれば汚染された花粉の飛散は抑えられます」と答えたが、長嶋は「あれだけの広大な地域を全部除染することができるのだろうか」と絶句した。一茂の言うとおりである。