深まる秋とともに落葉の季節を迎えるが、放射能に汚染された落葉や草木の処理に自治体が悲鳴をあげている。焼却場にはゴミがたまる一方で、パンクする日も近い。リポーターの井口成人がホットスポットの多い千葉県柏市と流山市から報告した。
千葉・流山では毎日30トン11月で満杯
千葉葉県柏市の南部クリーンセンターには、住民たちが毎日のように出す落葉のごみ袋が運び込まれる。しかし、焼却はされず、いま約1000トンが野ざらしになっている。それだけではない。地下2階にはこれまで燃やした焼却灰が460本のドラム缶に保管されたままだ。国の埋め立て基準は8000ベクレル/kg以下とされているが、最高7万800ベクレルが確認された。このため、9月7日(2011年)に焼却を中止、焼却灰は地下室に借り置きして、焼却灰を増やさないために落葉や草木は焼却せず貯めて置く以外に方法がないという。
流山市のごみ処理施設の森のまちエコセンターでも、同様の事態が起きている。専用のスペースが作られ、落葉などのゴミ袋が積み上げられている。9月末に628トンだったものが、いま1466トンに増えている。それでも毎日約30トン持ち込まれ、このままいくと11月いっぱいで満杯になるという。それまでに処分先が見つかればいいが、あてはない。
同じ流山市のクリーンセンター。ここにも空きスペースのテント内に504トンの焼却灰が積まれている。秋田県大館市と小坂町の最終処理場を依頼していたが、高濃度の放射能が検出されたため、受入れを拒否された。「万一のことを心配し、市民の理解が得られないため」という。このままでは来年(2012年)1月がギリギリと想定している。