東京・世田谷のスーパー敷地内の2か所で高放射線が検出され、1日(2011年11月)からアスファルトをはがして掘り出し始まった。高放射能の正体はなんなのか。「とくダネ!」によると、1964年の東京オリンピックのときに建設された地下鉄の残土らしいというのだが…。
東京オリンピックのときに湿地埋め立て
高放射線が検出されたのは、スーパーの建物正面にある駐車場と建物裏側。駐車場側は毎時110マイクロシーベルトで、裏側は最大で毎時170マイクロシーベルトもある。敷地の隅に「協同組合学校教育」と書かれた石碑が立っており、今もこの土地は全国農業協同組合中央会が所有している。
戦前は「産業組合中央会付属組合学校」の学生寮があり、昭和29年に「協同組合学校」として建て替えられたが、翌30年に「協同組合短期大学」に改組され、昭和48年に廃校になるまで大学があった。その後、海外研修生の受け入れ施設として使われ、12年前に現在のスーパーになった。
この短期大学のOBによると、主に農業経営や金融を教え、実験もなければ化学薬品は存在しなかったという。では、なぜ放射性物質が地下にあるのか。この地域の町内会長は「昔あの土地は僕の兄貴が持っていた。昭和29年に協同組合学校を建設する時に売ったのだが、あそこらは湿地で、東京五輪の地下鉄建設の際に出た残土を持ってきて埋め立てたと聞いている」と話す。
どこの工事現場の残土か?
司会の小倉智昭がこの話に飛びついた。
「あの土地を埋め立てたのが掘った地下鉄の土だとすると、他にもそういう(高放射線の)ところがあるということだね。地下鉄といっても、どのあたりの土を持ってきたか分からない。原因究明などできっこない」
すっかり地下鉄残土犯人説に傾いた小倉は、「日本は唯一の被爆国と言ってきたわりには、後からポロ、ポロとこうした放射能問題が出てくるというのは、リスク管理がやれてなかったということですね」
福島第1原発事故との関連はないと見られており、高放射線の検出はいわば瓢箪から駒が出た形。それをリスク管理がやれてないといわれても…。