公務員宿舎のあり方を検討する財務省の検討会は、きのう31日(2011年10月)に東京都内にある4か所を視察した。しかし、その意図がいまひとつわからない。
震災被災者が避難中の物件見せて「やっぱり必要」
「朝ズバッ!」はまずはお家賃くらべ。渋谷区広尾にある宿舎。米田やすみレポーターが「都内有数の高級住宅街」という。築30年と古いのだが、見た目はきれい。戸数は18戸 で、全戸南向き、広さは86平方メートルを超えている。米田が宿舎前から最寄りの広尾駅までの所要時間を測ってみると、「1分22秒です」。不動産業者によると、「31万円でもお安いです」。実際は6万5146円、 駐車場が5000円。業者は「(6万円は)駐車場のお値段です」という。
次が東雲宿舎。今年1月に完成した36階建てのタワーマンションだ。家賃は4万8591円だが、民間の相場なら21万円だという。ただ、現在は福島の被災者が入っている。被災者が「東京のお役人はこんなところに住んでるのか」と驚いたという例の宿舎だ。
被災者が入居しているので、削減対象にはなっていない。それをわざわざ視察した狙いはミエミエ。「できるだけ温存しておきたいという思惑」「潰してはまずいというイメージを作りやすいところに行くというのはよくある」と官僚OBは指摘している。
民間有識者10人の会合は非公開
この「国家公務員宿舎の削減のあり方についての検討会」は、野田首相の意向で設置され、座長は藤田幸久財務副大臣で、メンバーは民間の有識者10人など。17日の会合では、座長が「千代田、中央、港の宿舎の全廃、幹部用の宿舎は建設しないなど、あり方を検討していただきたい」とあいさつしたあとは非公開となった。
元経産省官僚の岸博幸・慶大教授は「人選が偏っている。朝霞宿舎を決めた人も入っているし、財務省がやりたい方向の結論を出そうとしているような。会議も本来公開であるべきでしょう」という。
司会のみのもんたは広尾について、「いくらくらいの給料の人が住んでるの?」
米田が審議官・部長クラスで「98万8840円、年収で1584万5000円」というボードを出した。
みの「それが家賃6万円!」
杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)「金額もあるけど、広尾は古い。なんで古いところへ案内したのか。幹部用のマンションなんかもあるのに」
みの「そんなのもあるの?」
杉尾「ありますよ。古いのは建て替えが必要でしょうという話にもっていきたいのではないですかね」
河合薫(健康社会学者)「なんで非公開なんですかね。公務員をたたく必要もないけど、公務員の問題は顔が見えないこと。こんな生活をしていると見せないこと」
みの「給料100万円で家賃6万円。宿舎は必要ですか。ひどすぎる。やりすぎだね」
検討会は11月にも結論を出すというが、はて……。