編集部には説明責任。批判にきちんと答えるべきじゃないか
2年前になるが、週刊新潮が朝日新聞阪神支局襲撃犯の手記を掲載し、それがまったくのウソだったことが朝日新聞や他誌の指摘で明らかになった。ついには告白した当人までが、文春などで手記は新潮に強制されて書いたと白状して、新潮は大失態を演じた。
そのことが週刊誌不信を拡大し、新潮だけではなく他の週刊誌の売り上げも減少し、存亡の危機に立たされたことを思い出す。現代は鈴木章一編集長が「団塊向け週刊誌」という原点帰りをして部数を大幅に戻し、東日本大震災や島田紳助スキャンダルで勢いをつけ、ナンバー1の文春に迫ろうかという時期に起きた大トラブルである。
岩瀬も現代編集部も黒川の批判にきちっと答えるべきである。小沢一郎のカネの問題で説明責任を果たせと追及してきた現代が、この問題に説明責任を果たさなければ、小沢追及とはいったい何だったのかを問われるのは間違いない。
文春で黒川がこういっている。
「私は二人(岩瀬と編集者=筆者注)を天神橋筋商店街のお好み焼き屋に招待しました。二万円弱の食事代は私が支払いましたが、これは大阪人のサービス精神であり、大阪で旨いものを食ってもらいたいという厚意です」
取材相手におごってもらうなど、ノンフィクション作家の故・本田靖春が聞いたら何と嘆くことだろう。