「朝ズバッ!」がこのところしつこく追っている公務員の優遇・ムダ追及の第4弾は、公務員研修施設のあきれた実態。司会のみのもんたが「稼働率ゼロ? 全然使わないのになぜ作ったんだ」と怒る。
たとえば、環境省の「水鳥救護研修センター」(東京・日野市)は、タンカー座礁事故などで油にまみれた鳥の救護を研修する施設。だが、2009年度(以下いずれも同じ)の利用は6日だけ。稼働率は2・5%だった。厚労省の「白金台分室」(東京・港区)は職員の資質向上のための研修施設。稼働率は16・5%だ。
利用者ゼロのプールにも清掃費4万円、監視員代32万円
こうした公務員の研修施設は全国に121(12府省)ある。維持管理費は45億8487万円。昨年12月、総務省行政評価局が「研修施設に関する勧告書」をまとめた。この中で、稼働率が低いなど運用が非効率な34施設に「廃止・縮小」を勧告。グラウンド、テニスコートなど運動施設の稼働率ゼロ%が全国に12施設もあった。
内閣府の沖縄総合事務局は那覇市内の研修室のほかに、名護市に宿泊できる研修所施設 「群星荘」持つ。リゾート地の海を望む高台にあるが、利用が低いことから「廃止」の勧告を受け昨年度末で廃止された。当然だろう。昨年度の研修は13コー ス延べ39日、稼働率16・1%。 宿泊費は1泊500円で、研修では290人、稼働率4・2%。 この年間予算3182万円だ。研修で使用しない時は、職員と家族が1泊1400円で利用できる。それが1165人。 「職員にリフレッシュしてもらうため」というが、維持管理費は2000万円(09年度)だ。
「研修内容にも問題あり」とされた単身赴任者研修。講師を招いてストレッチ、周辺をウォーキング。料理の講習と聞いたら、「そんなもの自分でやれよ」といいたくなる。プールとテニスコートもあるが利用はゼロ。 しかし、プールの清掃費4万円、監視員代32万円(誰を監視するんだ?)。これが、なんと16年間行われていた。
「農林水産研修所つくば館水戸ほ場」(水戸市)は40ヘクタール(東京ドーム9個分)の草地が空いたままだ。08年まで農業用機械の研修に使われていたが、うち11ヘクタールが未使用で、総務省から縮小とされた。今後11ヘクタールも含め半分を処分するという。未使用施設の価格は約5000万円。売却すれば維持管理費の節約になる。
環境省の「環境調査研修所」(所沢市)はテニスコートと野球のグラウンドが稼働率ゼロで廃止となったが、売却はせず、ソーラーパネルの設置ができないかと検討中という。その費用は「1億4~5000万円くらい」というが、それで使用電力の3分の1がまかなえるという。震災復興の最中にそんな金を使う気かよといいたくなる。電気代払った方がずっと安いだろう。