25日(2011年10月)の東京の最高気温は26・9度の夏日、一転して26日午前6時半の最低気温は15度と冬の寒さ。その差12度という目まぐるしい陽気は、これから迎える冬にどんな厳しさをもたらすのか。例年だと、10月の夏日は4回程度だが、今年はすでに9回を記録した。原因はラニーニャ現象という。「とくダネ!」お馴染みの気象予報士、天達武史が解説した。
クリスマス寒波も早め
まず、この先1週間の予報。最高気温は20度前後で推移するが、最低気温は27日からグンと下がり13度、28日には12度まで下がりそうだ。ただ、週末から来週にかけては、最低気温は15度まで上昇しそうだという。
気象庁が発表した3か月予報を見ると、「11月は高い」「12月は平年並み」「1月は平年並みか低い」となっており、何となく穏やかな冬が期待できそうだが、天達は「これにはトリックがある」という。
天達の解説によると、11月の平均気温は高めだが、夏日はないにしても20度から急降下し、10度ぐらいに下がるアップダウンが大きくなる可能性がある。さら、12~1月は昨年と共通点があり、クリスマス寒波が早めにやってきて寒くなる。とくに西日本まわりで寒波が押し寄せ、西日本中心に大雪になりそうだという。
ラニーニャ現象で寒気入りやすく
天達によると、この西日本大雪の原因は「ラニーニャ現象で、ペルー沖の東風が強まりフィリピン沖の海水温が高くなり、水蒸気を多量に発生させてできた雲が、日本の上空を吹く偏西風を押し上げることで寒気が入りやすくなる」
司会の小倉智昭は「天気が目まぐるしく変わったり異常だったりすると、すぐラニーニャという言葉が出てくる」と、いささか安直じゃないかと不満げだ。
このラニーニャ現象がなぜ起きるのかメカニズムは不明らしいが、タイの大洪水、20日現在で死者105人を出している中米エルサルバドルやグアテマラの集中豪雨、米テキサス州の猛烈な砂嵐は、みなラニーニャ現象がもたらしたものという。