プロといってもノウハウや実績はゼロに近く、素人に毛の生えた程度の放射能除染業者が続々と誕生しているという。とりあえず素人とはいえ、除染ビジネスの誕生は歓迎すべきなのだろうが、費用はだれが負担するかなど問題も多い。
国や自治体は「個人住宅」後回し
政府は21日(2011年10月)、除染経費2459億円をようやく閣議決定した。この中に個人住宅の除染は含まれているのか。財務省の担当者は「個人住宅は今後、市町村と相談して決めていく」と後回しだ。
除染作業が進む福島県郡山市は今年分の除染予算として39億円計上しているが、内訳は学校10億円、公共施設(公園、道路など)14億円、線量計14億円、人件費1億円となっており、個人住宅の除染予算はない。学校や道路の除染を優先するのは分かるが、常時暮らす住まいも優先して除染すべきではなかろうか。
線量下がったかチェックできず
そんな中、今月から福島県が主催して「除染業務講習会」を始めた。対象は除染業務に参入したい会社や個人で、定員100名に対し建設業者やビルのメンテナンス業者などから4倍近い申し込みがあるという。
そんな業者5社が集まり、福島県内に「県放射性物質除染協同組合」も設立された。高圧作業車やビルの浄化装置を使い効率的に除染を行う。建坪20坪ほどの家屋の除染で10万~20万円と割高だ。
一方、除染ビジネスを始めたばかりの業者は、約30坪ほどの屋根や壁の表面を洗いながして1万~2万円、20坪ほどの庭の草刈りで5万~6万円と安い。
司会の小倉智昭が「これね個人で負担となるとアタマにきますよね」と負担問題に言及する。「Newsweek日本版編集主幹」の竹田圭吾は次のように言う。
「除染ビジネスニーズがあるので悪いことではない。ほとんどは真面目にやってくれると思うが、悪徳業者が入ってくる要素がうかがわれる。放射線量が下がったといっても誰もチェックしていない状況では、ボッタクリが出てきてもおかしくない。ルール作りが必要だ」