大阪府の橋下徹知事は辞職して大阪市長選への出馬することを正式表明した。狙いは「大阪都」構想の実現。橋下に猛反発している平松邦夫大阪市長と対決するために府知事から市長にくら替えをするのだという。
平松現市長「気を付けよう暗い夜道と徹ちゃん」
大阪市と堺市を一つにして、人口30万人から40万人の強い権限を持たせた特別区に分割し、東京都並みの自治体をつくろうというのが大阪都構想だ。
背景にあるのは、目を覆いたくなるほど衰退が続く大阪の現状。主要企業の多くが本社機能を東京に移すなど地盤沈下して久しいが、橋下がやり玉に挙げているのが二重行政の弊害だ。例えば水道事業。大阪府と大阪市の浄水場が近接して3か所ずつ6つある。これを3つのグループに統合すれば人件費を大幅カットできるとしている。
労組が支持基盤の民主党が推薦する平松は、職員のリストラが付随するこの構想には猛反対なのだろう。橋下が「大阪市役所をぶっ壊す。そして新しい大阪都をつくる」とぶち上げれば、平松は「気を付けよう暗い夜道と徹ちゃん」で返す。元コメンテーターと元キャスターの対決は11月27日(2011年)投開票で決着がつく。
自治体衰退は他の地方も同じ
司会の小倉智昭「東京から見ていると面白いぐらいグジャグジャになっている」
夏野剛(慶応大大学院特別招聘教授)は橋下擁護派だ。
「今までの仕組みを変えるということになるわけで難しい。とはいうものの、日本経済そのものが縮小傾向にあり、政治のやり方を変えていかなければならない。橋下知事の提案は大阪だけでなく、いろんな地方で議論しなければならない課題を突き付けたのだと思う」
番組は最後に、野田内閣の藤村修官房長官のこんなコメントを紹介した。「ちょっと飛躍しすぎている。大阪が独自で勝手にやることでもない」
橋下にしてみれば、推薦する平松を擁護するのはいいとしても、自民党政治を変えるとマニフェストで言ってきたが口先だけ。今や逆戻りしている民主党政権に言われたくはなかろう。