これも無駄遣いだ。北海道・富良野に農水省が作った農業用ダムに水がたまらない。何とかしようと38年間に343億円もつぎ込んだが、いまだに未完成。会計検査院が先月(2011年9月)、「ダム以外の方法を」と異例の注文をつけた。
工事終了翌年に水が抜けてただの窪地
司会のみのもんたが「上から読んでも下から読んでも、ムダなダム」と呼んだのは「東郷ダム」。夏の渇水の悩みを解消しようと、1972年に国の直轄事業として計画され、当初の事業費は63億5000万円で93年に工事が終了。1度は満水になったが、翌94年5月に水が抜けてただの窪地になってしまった。計画変更で事業費は98年に285億円に拡大され、それでもダメで02年に379億円になった、すでに343億 円を支出したが、いまだに空っぽダムだ。
地元の農家は負担金を払っている。ダムから引くパイプラインなどの費用で、368戸が約1億円を93年から分割で払い続けている。金額は畑の広さによるが、400万円を払っている農家は「水も使っていないのに払ってる。400万円あれば土地が買えるよ。土地の方が安いんだから」という。いま水は近くの川 から引いているというのだから、マンガである。
農家は「ダムより水が来てほしい」
会計検査院はダム建設を「改善の要あり。ダム以外の方法と比較したうえで慎重な判断が求められる」とした。まあ、当たり前だろう。
明治学院大の神門善久教授は「公共事業が目的化してしまった典型的なケース」という。 農業あっての事業ではなくて、図面あっての公共事業だというのだ。北海道開発局は「灌漑を望む住民の要望に応えるべく努力する」という。つまりは底抜けのナベを修理し続けるということか。
農家は「ダムより水が来てくれればいい」といっている。
みの「みなさん温厚でおとなしい人たちだねぇ」
与良正男(毎日新聞論説委員)「事業の続行は難しいかもしれない。その代替案というのはあるの?」
取材キャスターの奥平邦彦「もともと川はあるのですが、地下水は少ない場所です」
与良「もともと必要なかったダムではないんだ。どうしたら…」
というところで時間切れになった。まあ、八ッ場ダムもそうだけど、金をかけちゃったんだ からというやり方は、もう終わらせる時なのかもしれない。