共産党も「誠意の欠落、道徳の低下が深刻」
みの「悲しいね」
2歳の女児のケースでは、ネットに「中国経済は発展したが、道徳観は喪失した」「両親には監督責任があるが、18人の通行人にはない」と両方の意見が出ているそうだ。
中国に詳しいジャーナリスト富坂聰さんは、「困窮と競争激化で心に余裕がなくなり、ややこしいことにはかかわりたくないということ」という。井上は中国の大学での調査結果を紹介した。「老人が倒れたとき、手を貸すべきか」との問いに、「貸すべき」64・8%、「何ともいえない」26・9%、「貸すべきでない」が8%もあった。「巻き込まれるのが怖い」のだと井上はいう。
先の中国共産党中央委員会総会でも、道徳問題は重要なテーマになっていた。温家宝首相も「誠意の欠落、道徳の低下が深刻なところまできている」といっている。かつて中国の人たちは自らも貧しい中で、「敵」である日本人の子どもたちを預かった。それが残留孤児だ。あの優しさは、どこへ行った?
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト