またも首都圏で、放射能がホットなピンポイントが見つかり、番組はトップで取り上げた。
現場は東京・足立区の小学校。プール脇の雨樋の下あたりで、3.99マイクロシーベルト/時を計測した。番組によれば、雨に含まれるセシウムが、雨樋の下の土にたまり、セシウムだまり的な状態になっていたという。
もっとも、この高放射線量は地上5cmの位置での計測。ICRPの避難基準の年間20ミリシーベルトは、高さ1mの値が基本だという。ちなみに件の場所は、1mで0.24マイクロシーベルト/時だったという。
地上5センチ―基本は1メートル
「今回、あくまで下から5㎝ですよね。通行するぐらいなら問題ないってことがわかった。あんまり煽ってもおかしいと思うんで」。テリー伊藤が、日頃のコメントの傾向から考えると、耳を疑うようなことを言う。
「怖がるなら、ただしく怖がるということが必要ですよね」と、コメンテイターの宮崎哲弥が横から、すかさず口を出した。
「放射能はただしく怖がる」は、ちょっとした流行りの標語のようである。放射能はおそろしいものだが、だからと言ってやたら怖がってもいけない。
一見もっともな話だが、この言葉は往々にして、放射能をただしく怖がれば、現状は怖がる必要がないのだ――といった含意を持ち、その裏返し的な言い方として使われているようでもある。「ただしさ」の根拠は本当にただしいのだろうか。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト