「彼女の、アッ、この、被害者の――」。リポーターの阿部祐二があわてて言い直した。故人はいわゆる「ニューハーフ」であり、関係者には「彼女」と呼ばれる存在だが、リポーター的には「彼」もしくは「被害者」になるようだ。
殺人なのか死体遺棄なのか
長野県南牧村の別荘地で10月9日(2011年)、37歳「男性」の遺体が見つかった件は、警察が死体遺棄事件として捜査しているという。
厳密に言えば、死体遺棄事件が必ずしも殺人事件とは限らない。ワイドショーでも、その区別にこだわる番組、出演者があるが、スッキリ!!コメンテイターのテリー伊藤には、この件はすでに完全なる殺人事件であった。「都心で殺害して長野に持ってったのか、長野まで犯人と一緒に行って事件があったのか。両方考えられます」
男性恋人と都内の飲食店で自慢
彼女/彼は沖縄出身で父アメリカ人、母日本人のもとに生まれた。10代後半で沖縄を離れ、山梨や東京に住み、風俗店で働いていたという。元同僚や、同居もしていた風俗店オーナーからは「ネットの出会い系でちょくちょく遊んでいた」「外国の人とかにナンパされて、そのまま誰でもついていく傾向があった」など、あけすけな評判が聞かれた。
死亡時期は7~8月とされるが、番組によれば、8月14日に都内の飲食店を男性とともに訪れていた。従業員に、同伴の男性を恋人だと紹介したという。「10月に韓国で歌手デビューする」といった話もしていたが、「(歌の上手さは)歌手になるほどでは…」(従業員)だという。阿部が聞いたところでは、被害者は、虚言を言ったり、話を大きくすることがあったようだという。