早すぎないか?南相馬の学校再開―町中の除染ほとんど手付かず

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   福島県南相馬市内の5つの小中学校で17日(2011年10月)、7か月ぶりに授業が再開された。友だちとの再会に子どもたちの笑顔がはじけ、久しぶりに教室内に笑い声が響いたのだが…。

   学校以外の除染はいっこうに進まず、子どもたちとは対照的に親たちの心境は複雑。スタジオでも授業再開は拙速との声が出た。

PTA会長も「子ども部屋が線量高くて帰らせられない」

   大甕小学校は福島原発から20キロ圏内の警戒区域境界線から直線距離でわずか900メートルしか離れていない。この日、子どもたちの多くが親の運転する車で登校し、全員がマスクをかけ、個人線量計を首から下げている姿も目立った。子どもたちに感想を聞くと、「ここに来るのも久しぶり。皆に会えて嬉しい」「戻ってこれて嬉しい」という答えが返ってきた。

   大甕小は授業再開に向けて保護者総出で校舎やグラウンドを除染し、遊具の塗装をはがして塗り直すなどの放射線対策を行ってきた。この結果、校内は8月に毎時0・38マイクロシーベルトだった放射線量が、今月14日には0・11マイクロシーベルトにまで下がった。ただ、自宅や通学路などの除染は手付かだ。

   校内の遊具の再塗装を熱心に行っていた庄司一弘PTA会長は、「うちの3人のこどもはまだ学校に戻っていないのですよ」とその理由をこう語った。

「子どもたちは早く戻りたいと言っているのですが、自宅2階の子供部屋は天井に近くなるほど放射線量が高い。屋根に放射性物質が付着しているからでしょう」

   天井近くでは毎時0・5マイクロシーベルトが検出され、「親として帰ってきなさいという線量ではない」という。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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