来年度から放射能教育―原発事故で内容変更「推進から汚染や影響」へ

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   現在の国内の放射能、放射線汚染について、危険派と安全派の主張は依然として平行線を辿っているようだ。センモンカにしても、アブない(例:東北の野菜を食べると健康を害するので、捨てるべきだ)と力説する人がいたりして、どちらかの主張にはかならずクレームがつき、そのクレームにまたクレームがつくのが常だ。

   そもそも、ニッポンの原発の安全性や、福島原発事故の進行などについてセンモンカが言っていたことを思い出せば、事故後の放射能について、これまで蓄積されたアカデミックな知見で斯く斯く然然である――と言われたところで、その「正しさ」にどうも自信が持てないこともある。

   いったいなにが正しいのか。ずぶのシロウトの筆者なども、知り合いから「放射能、ホントに大丈夫なんですかね?」などと、なにかを試されるように聞かれることがある。無力な私は「わからないですよねえ、なにが正しいのか」と、間抜け面で微苦笑するだけだ。

福島・相馬の小学校ではザリガニ使って授業

   さて、番組よれば、来年度から義務教育の場で、放射能教育が行われるという。放射線に関する教育は「つめこみ教育」批判のなかで、30年前に姿を消したが、昨今の「ゆとり教育」批判の流れを受けて、中学校で復活する運びとなった。これは原発事故以前に決まっていたことだという。

   スタジオゲストの科学ジャーナリスト、小出五郎氏は「原子力のエネルギーとしての理解とか、放射線の利用などを教えるはずだったが、現実には放射線の汚染や人体への影響が、一番みんなの知りたいことになった」と言う。おそらく原発推進の国策にそった教育が行われる予定だったところが、事故の結果、教育方針の大幅変更を迫られることになったようだ。

   児童生徒の強い関心に応えるために、すでに独自の放射能教育を手探りで行っている学校もあるという。福島県相馬市のある小学校では、校長みずから近くの小川でザリガニを採取。放射線量は教室内の5倍あったが、専門家の助言に従って水洗いしたら、教室内と変わらなくなった。

   校長はそのザリガニを教室に運び、「体のなかに放射性(物質)が入ってるザリガニを触っても大丈夫?」と子どもたちに問いかけた。「ダメ!」という答えを聞くと、校長は「ダメ? 先生も昨日までそう思ってたの。でも大丈夫だって」と、素朴なしかし力強い調子で教えていた。

NHKクローズアップ現代(2011年10月11日放送「どう教える『放射線』」)

ボンド柳生

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