東日本大震災から7か月。昨日11日(2011年10月)、宮城県石巻市の全ての避難所が閉鎖された。仮設住宅に移り住むことになるが、暮らしは不便だ。岩井茂恵子さん(76歳)は「足が悪いので病院に行くのもままならない。仕方がないので通院にはタクシーを使っている」と話し、司会の羽鳥慎一が「病院と仮設住宅の距離は10キロメートル。タクシー代は片道3000円もかかるようです」と説明した。
住民は7割移転希望。町議会は否決
玉井新平レポーターが石巻市内の仮設住宅の様子をレポート。
「現在も仮設住宅の3分の2は空き家となっていて、避難所から仮設への移転ははかどっていません。理由としては市内から遠いこと、スーパーや商店街もなく日常生活に支障が出ること。近所の人たちと離ればなれになりたくないという思いもあるようです」
大地震・大津波から時間がたつにつれ、被災地の復興をめぐる対立も始まっている。宮城・南三陸町では約2000世帯のうち7割近くが高台への移転を希望しているが、町議会は高台移転案を否決、移転は白紙となってしまった。
玉井「南三陸町は旧志津川町と旧歌津町が合併して誕生しましたが、議会で否決された背景には当時の町同士の対立があったようです」
はっきりしない国の復興資金負担
コメンテーターの宇治原史規(漫才師)は「町の復興に一刻も早く動き出さなくてはならないのに、議会で賛成反対と対立している場合やろか。反対した人は代案を持っているのか。それがなければ、ただ反対のための反対でしかない」と話す。
田畑正(TBS経済部部長)「復興のためには莫大な資金が必要となる。年間の市町村単位の予算で負担できる金額ではない。国は復興を語っているが、果たして国が補助をしてくれるのかどうか。被災から7か月も経っているのに、国は今でも明言していない。政府の態度が分かるまで動けないという現状がある」
第3次補正予算である程度は動き出すと見られているが、相変わらずの与野党駆け引きで成立までまだまだ時間がかかりそうだ。