乱立する法科大学院を「整理・削減」
文科省は昨年9月(2011年)、乱立で質の低下が問題視されている法科大学院の手直しを行った。「3年以上合格者が全国平均の半分未満」などの法科大学院は補助金を削減するという。87人が受験し6人しか合格せず、来年度から補助金が削減されることになった桐蔭横浜大法科大学院もそのひとつだ。ここは社会人コースを設け、働きながら学ぶ学生を積極的に受け入れており、合格者6人のうち4人は社会人だった。番組では触れなかったが、さらに社会人コースを充実させる狙いだろうか、今年8月に社会人コース専門の大宮法科大学院との統合を発表した。乱立する法科大学院を統合し、集約化する先駆けとして関係者から注目されている。
キャスターの国谷裕子の「法科大学院を出て司法試験に合格できない人たちも多い。どこを改革したらいいんでしょう」という疑問に、明治大法科大学院の鈴木修一教授は次のように答えた。
「早急に司法試験合格者数と受験者数の合理的なバランスを取ることが大事。できるだけ資格試験に近づけるのが重要で、それには条件がある。法科大学院側が入学時、進学時、修了時に厳格な質的コントロールをする。第2に弁護士、検察官、裁判官の3者以外の職種に5%以下しか進めない。これでは司法制度改革の理念は達成しにくい。行政分野、企業、もっといえばグローバルに活躍できるような場を弁護士は求めるべきだ。それには在学中にきちっとしたキャリアガイダンスを行うのが肝要だ」
厳格な質的コントロールには賛成だが、3職種以外に活躍できる場といわれても、このデフレ不況が続くなかそう簡単にはいかないだろう。やはり法科大学院を減らし、量をスローダウンさせるしかないのではないか
*NHKクローズアップ現代(2011年10月5日放送「弁護士を目指したけれど…~揺れる司法制度改革~」)モンブラン
文
モンブラン