何とも不可解で気味の悪い話だ。人口2万8000人の静かな町で、3か月足らずの間に殺人事件や行方不明事件が連続して起きている。別府湾を望む大分県日出(ひじ)町。住民たちは不安を募らせている。
主婦や幼児が姿消し、老夫婦の他殺体
先月(2011年9月)12日、日出町の主婦・光永マチ子さん(36)が突然姿を消した。午前10時ごろ、小学生の長女が学校で歯を折ったという連絡を受け、車で迎えに行った。歯科医院で治療を終え、長女を学校へ送り返し帰宅した。その際、長女に「めまいがするから家に帰って寝る」と言い残していた。午後3時ごろ、長女が帰宅すると、カギが開いていて、車と携帯電話は残されていたが、マチ子さんの姿はなかった。
その翌日の13日には、同じ町内の2歳の江本琴音ちゃんがスーパーの駐車場の車から、母親が買い物のために離れた隙にいなくなった。以来、2人とも不明のままだ。
行方不明だけではない。6月27日には、光永マチ子さんが長女を連れて行った歯科医院のすぐ目の前に住む老夫婦が、他殺体で発見された。金品に手がつけられておらず、怨恨による殺人事件とみて捜査している。
また、8月には若い女性がハンドバッグをひったくられる事件も起きている。いずれも半径1.5キロの範囲内の出来事だ。
警察は「事件に関連性なし」
日出町は別府市に隣接し大分市にも近いことから、最近、人口が増えているというが、これまで大きな事件はない。住民たちは戸締まりや夕方は出歩かないなど、防犯に神経をとがらせている。
城西国際大学の宮田佳代子・非常勤講師は、「被害者は小さい子どもから、主婦、高齢者と年代も幅広い。何が起きているのか、みんな不安になる」
司会の羽鳥慎一「そんなに広くない町なのに情報はないのですか」
リポーターの清水貴之「新しい情報も捜査の進展もまったくない状況です」
警察は「一連の事件の関連性はない」との見方だが、それだけに捜査は絞りにくい。どんな些細なことでもと情報の提供を呼び掛けている。