それはお騒がせハリウッド俳優、ニコラス・ケイジに関わる奇妙な写真から始まった。9月中旬(2011年)、オークションサイトのeBayで1枚の古い写真がオークションに掛けられた。南北戦争の頃の1870年に撮影されたテネシーの男のポートレートで、問題は男の顔がどうみてもニコラス・ケイジに見えることだった。そっくりというよりケイジそのものといった感じ。
オークションの出品者は「ニコラス・ケイジは実は永遠に歳をとらないといわれるヴァンパイア(吸血鬼)かもしれない」というコメントとともに希望落札価格を100万ドルに設定したので話題になった。かなり入札者が殺到したようだが、結局、落札者はいなかった。
19世紀のジョン・トラボルタそっくりさん写真は35ドル
ところが、今度は19世紀に撮影されたジョン・トラボルタそっくりさんの写真がeBayに登場。こちらもあの特徴的な顔が生き写しで、「タイムトラベラー写真」と銘打って希望落札価格が5万ドルで出品された。出品者はビクトリア朝時代の写真を収集している女性で、実はニコラス・ケイジのヴァンパイア写真の出品者とは知り合いだったらしい。これで儲かるのなら、一気に古い写真の収集熱が高まりそうだが、トラボルタ写真の最高入札価格は僅か35ドルだったとか。まあ罪のない軽いジョークとして楽しめそうではある。
Noriko FUJIMOTO, 翻訳家、エンタメライター