検察を鋭く批判した小沢一郎被告の初公判。終了後に行われた記者会見で再び検察批判を繰り返した後、同僚議員と会食して自宅に戻ったが、深夜に腰痛のため救急車で病院へ搬送されるハプニング。公判で座り続け腰を痛めたのか、長時間緊張のストレスか。どうやら尿道結石だったようで、意識ははっきりしており命に別条はないという。
法廷にいない検察激越批判の異様
批判の矢面に立たされた検察OBの宗像紀夫弁護士(元東京地検特捜部長)が生出演し、小沢の検察批判の真意について取り上げた。公判では検察官役の指定弁護士が起訴状を朗読した後、小沢が意見陳述したが、およそ8分間の陳述のうち9割が検察批判だった。
「この裁判は直ちに打ち切るべきです。百歩譲って、裁判を続けるにしても、私が罪に問われる理由はまったくありません。この捜査は検察という国家権力機関が、政治家・小沢一郎個人を標的に行ったものとしか考えようがありません」
公判後の記者会見でも陳実で述べたことを繰り返した。
「表舞台から永久に抹殺する社会的暗殺、アサシネーションであり、生命を奪う殺人以上に残虐な暴力であると思います」
この批判に宗像は「否認は予想の範囲内だが、激烈な検察批判はちょっと異様な感じがした。この公判は弁護士対弁護士の戦いの形になっていて、検察は指定弁護士の裏側、証拠を集めた側になっている。あの場に検察がいませんので直接反論できない。で、思いきり言ったのかなという感じがした」と感想を述べた。
笠井信輔アナが「はたして裁判官が聞いて不利に働かないかなと思うんですが、いかがですか」と聞くと、宗像はこう付け加えた。
「この事件は検察審査会の議決で強制起訴されたわけですが、小沢さん側から見れば、検察がおかしな証拠を作って審査会に提出した。それによって審査会が騙された。誤解して強制起訴したため、自分がここに立っている。
諸悪の根源は検察だと。小沢さんはこの事件は無罪の方向にいくとある程度自信があってしゃべっていると思う」
小沢側に義務ない「4億円の説明」
裁判の行方だが、ポイントは小沢が「自分のカネ」だという4億円の本当の出どころ。宗像は「この立証責任は法律的には検察にある。小沢さんは説明する必要はない。検察も内容はつかんでいるが、それがおかしなカネだとは立証できていない。裁判の行方は難しいですね」という。
「おかしなカネ」なのか立証できずに不起訴にした検察だが、審査会はそのまま強制起訴に持ち込んだ。小沢にとってはそこがつけめ。ある意味で検察対審査会の面子闘いという側面もありそうだ。