ギリシャのソブリン危機に端を発するユーロ危機はいったいどうするどうなる――といった問題を、この日の放送は扱っていた。「欧州信用不安の行方」という題である。
ギリシャの危機、欧州の信用不安――。もしもどこかの御下劣なニュースサイトなら、タイトルに「信用不安」なんて、まどるっこしい表現をせず、「欧州金融大パニック! すわ世界大恐慌か!? ニッポンもヤバい!とネット大騒ぎ」みたい見出しがついていてもおかしくない。NHK的な言葉遣いだと、現状は「欧州信用不安」ぐらいがちょうどよいのだろうか。
IMF副専務理事「大丈夫です」の頼りない根拠
それはそうと、もっとも、ギリシャが破綻すれば、まさしく「欧州の危機」「世界金融危機」の引き金になる可能性は十分あるワケである。
そこで、ずばりギリシャの債務不履行は避けられるのか、と国谷裕子キャスターがIMF(国際通貨基金)の朱民・副専務理事に聞いていた。市場からほとんど見放された形のギリシャにとって、IMFは重要なパトロンなんである。
「ヨーロッパの状況は数週間前とくらべて、かなりよくなっている。問題を解決することはできると信じている」と専務理事は言う。
「つまりギリシャは債務不履行を回避できるということですか」と国谷キャスター。「現時点では回避できると考えている」との答えに、「本当ですか?」と念を押す。国谷キャスターも、ギリシャのデフォルトが相当気掛かりなである。
「大事なのはすべての政策担当者が行動を起こすことです。いますぐ決断できるかにかかっている。これまでのところ、順調に進んでいる」と専務理事は自信たっぷりだ。
目下、焦点はEUやIMFがギリシャへの次の融資を行うかどうか。しかし融資するかどうかの決定は13日以降に先送りされたといい、国谷キャスターは「ヨーロッパ情勢はきわめて不透明感の強い状況」としめくくった。