検察審査会の議決で強制起訴された民主党元代表の小沢一郎被告の公判が10月6日(2011年)午前10時から東京地裁で始まった。剛腕と言われ、いつも政治の中心にいた小沢の裁判を周辺はどう見ているのか。
元秘書3人の一審有罪で苦しい展開
司会の小倉智昭は「これからは小沢被告という言い方になるのですかね。では、政治の場においては小沢元代表と言い方をするの?」と話し出した。慣例に従って、「小沢被告」と言いたい気持ちをにじませたのだろう。
その小沢の元秘書で、一審で有罪判決を受け控訴中の石川智裕被告に笠井信輔アナがインタビューした。「(小沢の)初公判を前に今、どんな気持ちですか」と聞くと、こんな答えが返ってきた。
「一番の大きなヤマ場。無罪を勝ち取るために頑張って欲しいというのが今の気持ちです」 こう言いながらも、「小沢さんの秘書でなかったら(自分が)捕まるということもなかった。複雑な心境です」
小沢の地元・岩手県奥州市では、仮設住宅に住む被災した男性は「限界じゃないか。もういいんじゃないの」と言う。陸前高田市の仮設住宅に住む主婦も、「何をやっているんだろうね、あの人は。全然、顔も出さないし」。別の男性も「期待していたのに、期待外れっていう感じだ」
党員資格停止とはいえ、地元有権者の票で国会議員のポストについている。政治家としての原点である地元が、未曽有の困難に陥っているのに顔も出さないとはどういう了見なのだろうか。
大久保無罪なら9割方無罪だったが…
さて、裁判の行方だが、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は次のように語った。
「(会計責任者の)大久保隆規被告が一審で無罪だったら小沢さんも9割無罪だったと思う。しかし、大久保被告が有罪になったために、小沢さんの無罪の可能性はグンと下がって、有罪、無罪は五分五分ぐらいになっている感じがする」