<毒姫とわたし(フジテレビ系月~金ひる1時30分)>出版社の編集者・小麦(櫻井淳子)と車いすで生活している美姫(黒川芽以)の友情を描いたヒューマンコメディ。ドロドロ、メソメソしない「元気の出る昼ドラ」と謳っているわりに、思いっきりドロドロしている気がするのだが……。
ごちゃごちゃ人物相関図
作家デビューを果たした美姫とその担当編集者である小麦。2人の間にある信頼感のようなものは見てとれるし、2人の掛け合いは面白い。櫻井淳子はもちろん、黒川芽以も良い演技をしていると思う。天涯孤独の美姫はかなりの毒舌家で、言いたいことをはっきり口にして周りを振り回すが、実際にこんな人とはちょっと関わりたくないなぁ……と思わせる。ただ、美姫のバックグラウンドを考えると、口が達者じゃないとやっていけなかったのかもしれない。
2人の友情を試すかのように、美姫を産んで捨てた大物作家の美園響子(荻野目慶子)が小麦を美姫の担当から外させたり、美姫と同じように車いすで生活するエリカを作家デビューさせようと目論んだり。エリカをひき逃げした友樹は人生をヒマつぶしと考えているような人間で、ある女性に「自分は美姫の母親だ」と嘘をつかせ、2人を翻弄させたり…。友樹は小麦の恋人の弟だし、エリカの父親である君嶋は大手出版社の社長で、美園と不倫関係にあるしで、人物相関図のごちゃごちゃさとドロドロさは結局、かなり昼ドラ的になっている。うーん、これなら徹底的にドロドロさせるか、「明日の光をつかめ」みたいなヒューマンドラマに仕上げた方が良かったかも。
(てらっち)