駅員への暴力行為が横行している――という話はよく聞くが、日本民営鉄道協会の2010年度の統計でも、暴力行為の発生件数は800件以上で、過去最悪水準を維持しているという。
番組は、客からの暴力被害にあった現役駅員を集めて、話を聞いた。なかでは、女性への性的いやがらせ、「節電」という世相の反映――が目新しく思われた。
節電でエレベーター休止「おまえが荷物運べ」
40代の女性駅員は、節電でエレベーターが止まっているのを見知った客から「エスカレーターが動いてないから、おまえが荷物を運べ」といったことを言われ、荷物を押しつけられたという。
またセクハラ、痴漢にあうこともしばしばだそうだ。「改札にいるとき、卑猥な言葉を投げつけられたり、『彼氏いるの?』とか、からかってくるお客さまがいる」「抱きついたり、胸を触られたり、そういったことは多々ある」
こうした問題行動を起こす客は酒を飲んでいることが多いが、駅員たちは「(酒は)ひとつの口実であって、自分のストレスを発散したい」(50代駅員)などといった気持と、駅員は応戦してこないという理解から、気軽に手を出してくるのではないかと分析している。
文
ボンド柳生