異常かどうかまだはっきりしない
「この発表をどう捉えますか」という司会の小倉智昭の問いに、野口邦和・日大専任講師(放射線防護学)は「政府ではなく、NPO法人が検査を率先してやった。政府がもっとしっかりやらないといけない」と政府の対応の遅れを悔やむ。ただ、今回の検査で出た『変化』については、「事故前の子どもたちはどういう状態だったのか、変化があったのかどうか。もう少し慎重に考えた方がいいのではと思っている。これから早く、広い範囲でしっかり調べないと、ほんとに『異常』があるのかどうかはっきり出てこない」という。
コメンテーターのデープ・スペクター(タレント)も「どうしても否定する専門家も出てくるので、1か所でなく、いくつかのデータが必要。また、停止中の原発の再稼働が問われているが、その前に薬の備蓄とか新しい対処法の研究が必要だ」と指摘する。
福島県では近く18歳以下の子供を対象に甲状腺の超音波検査を始めることになっているが、原発事故から半年以上も過ぎている。遅すぎやしないか。
「体に入ったら取り出せないので心配です」という福島・浪江町から避難している主婦の声に、野口は「食べ物を通じて入ってくるので、体内に取り込む量を減らすことが基本です」という。信じられるのは自衛手段しかない。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト