福島の子ども「甲状腺変化」―原発事故被曝との関係まだ不明

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   福島の子どもたちの甲状腺に正常でない変化が見つかった。正常値を逸脱している子どもが10人おり、「経過観察が必要」と診断されたという。

   NPO法人「日本チェルノブイリ連帯基金」と信州大付属病院が3日(2011年10月)発表したもので、今年7月から8月にかけて、長野県内のサマーキャンプに参加した福島県内の子どもたち(生後6か月~16歳)130人を対象に行った健康検査で判明した。

ホルモンに基準値外の数値

   検査によると、甲状腺ホルモンが基準値を下回った子どもが1人、甲状腺刺激ホルモンが基準値を上回った子どもが7人、甲状腺に異常があると増えるたんぱく質濃度がやや高い子どもが2人いた。この10人は、原発事故直後に避難区域の20キロ圏内に3人、緊急時避難準備区域の20~30キロ圏内に1人、指定区域外に6人がいた。

   甲状腺には放射性ヨウ素が溜まりやすく、小児甲状腺癌が発症する恐れがある。先例としては、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故が顕著で、原発から16キロ離れているベラルーシでは、事故のあった年は4人だった小児甲状腺癌が5年後から急激に増え、96年までの10年間に507人にのぼったという。91年から5年間、ベラルーシ甲状腺癌センターで治療にあたった外科医の菅谷昭松本市長が当時の模様を次のように語った。

   「原発近くの住んでいた人たちの多くが病院を訪れてきたが、さまざまな健康障害が起きていた。免疫機能の低下で非常に風邪をひきやすいとか、非常に疲れやすいとか、貧血が起きるとか。出産期の妊婦の場合、未熟児や早産が増えた事実がある。

   一番の問題は小児甲状腺がん。15歳以下の小児甲状腺癌が非常に増えた。『どうしてがんになってしまったのか』と両親たちは切なく辛い思いをし、自分をいつも責めていた」

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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