「暴排条例」で企業・市民も暴力団に立ち向かえって…やっぱり報復怖い

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昨年施行の福岡では経営者宅に発砲や手榴弾

   指定暴力団が5団体もひしめき、全国に先駆けて昨年4月に暴力団排除条例を施行した福岡県。暴力団員を雇用していた会社、暴力団幹部と飲食を重ねていた会社経営者など、すでに50社が名前を公表され、公共工事から外された。なかには業績悪化に陥る会社も出ている。

   その一方で、見せしめなのか、市民の安全を脅かす事件も相次いでいる。福岡市内の閑静な住宅街にある大手企業の会社社長宅の玄関先で、殺傷能力のある手榴弾が見つかった。建設会社を狙った発砲事件が今年に入って8件、9月には2社が狙われた。いずれも暴力団による発砲とみられている。暴力団との取り引きを断ち切ろうとして発砲受けた建設会社の社長は、断ち切ることの難しさをこう訴える。

「関係を断ち切ろうと思っている会社は多い。でも、玄関先に発砲されるうちはいいけど、本当にやられたら怖い。警察や行政はどこまで本気で考えているのか。本気度が感じられないところがある」

   「ここが最大のポイントですよね」というキャスターの国谷裕子に、ゲストの日弁連の前民事介入暴力対策委員長の三井義廣弁護士は「それができるのは警察しかない」という。その警察力にも限界がある。暴排条例の施行で企業側が「取引はお断り」と応対した途端に、いきなり「バーン」「ブスリッ」もあり得る。まずは、警察が暴力団の実態に合わせた新しい捜査・摘発手法を導入し、検挙率を高めて元を断つことではないか。

モンブラン

*NHKクローズアップ現代(2011年9月28日放送「どう決別する暴力団~排除条例・市民の模索~」

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