9月6日(2011年)夜、那覇から羽田へ向かっていた全日空機が、静岡沖で1900メートルも急降下したトラブルについて、運輸安全委員会はきのう(28日)、機体が一時131度も傾き、ほとんど背面飛行状態だったことを明らかにした。
事故はトイレから戻った機長を操縦室に入れるため、副操縦士が解錠ボタンと誤って機体を制御する「ラダートリムコントロールスイッチ」を押したために起った。このため、機体は音速に近い速度に達し、旅客機が本来想定している動きを超えた。専門家は空中分解の危険もあったという。
副操縦士なぜボタン押し間違えた?
問題は副操縦士なぜスイッチを押し間違えたかだ。ボタンは副操縦士席からは左手後方にある。2つのスイッチは30センチほど離れている。
司会の加藤浩次「間違えそうにないのだが、なぜ?」
航空評論家の秀島一生氏は「理由は不明だが、管制官と交信でもしていて、あせって間違えたとしか思えない」と推測する。
加藤「コントロールスイッチはよく使うものなのですか」
秀島「オートパイロットですから、使うことはないものです」
ますますわからない。交信していたとしても中断すればすむことだ。
それにしても、30秒間で1900メートルという 急降下とはどんなものなのか。
秀島は「これだけ回転、降下した例は墜落したもの以外にはない。回復した(副操縦士の)技量はたいしたものだと思う」
キャスターのテリー伊藤「最悪、どんな事が考えられたか」
秀島「戦闘機と違って民間機は強度がないないから、空中分解もありえた」
テロ対策で中からしか開かないドア
トイレへ行くのは当たり前だ。操縦室から外へ出たら中から開けてもらうしかないのか。
秀島「テロ対策でこうなっているが、パイロットがカギを持つとかは必要ですよね。もし中のパイロットが急病になったらだれも入れない」
けが人は乗員の2人だけだったが、全日空の聞き取りで乗客も6人が体調不良などを訴えたという。よくこんな程度ですんだものだ。
秀島「急降下の加重がジェットコースターのような作用を果たした。夜間だったこともあり、乗客もほとんど気づかなかった。(ただの背面飛行で)そのまま落ちれば天井に穴があいてしまう」
加藤「こういう事が絶対に起らないようにしないと…」
秀島は「運輸安全委も中途半端だ」という。「ミスというよりは、やり方に問題があるんじゃないかくらいまで踏み込んでもらわないと、安心できない」
今回は機体がよくもってくれたと、神に感謝するしかないということらしい。