「一歩間違えば大惨事」――という決まり文句が多用される全日空機の背面急降下インシデント。今月6日(2011年9月)、トイレに行っていた機長をコクピットに迎え入れようとした操縦士が、ドアを開けるスイッチと間違えて、尾翼の方向舵スイッチをひねってしまったという、にわかに信じがたい理由で起こったとされる。
分解寸前で機体立て直し
では、なぜスイッチを間違えたのか。番組によれば、ふたつのスイッチは、形状は似ているものの、大きさは違い、場所も離れている。臨時コメンテイターの元全日空機長、前根明によれば、ちょっと考えられないような誤りであり、「なんでこうなったのかは謎」と首をかしげる。
バランスを失い、急降下中の速度はマッハ0.828まで上がった。このボーイング737クラスの機体がマッハ0.9あたりに達すると、機体が持たずに分解するおそれがあったという。
結局は、なんとか姿勢を立て直した。間一髪で惨事が避けられた要因はなんだったのか。「(副操縦士が)とてもテクニックがあるので、回復できたということですか?」と笠井信輔アナ。
「まあ結論から言うと、そういうことです。必死になって回復した。これが10秒遅れてたらおそらく大惨事だった」(前根)
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト